• テキストサイズ

大罪と重罪【七つの大罪】

第2章 過去の記憶と生命と


しばらく動けなかった。


あれだけエリザベスが私のことを見ていてくれて嬉しかったのか、
色々見透かされて放心状態になっているのか、自分でもよく分からなかった。


キング
「・・・・・オイラ、なんだかミーシャのことが心配になってきた。
ちょっと様子を見てくるよ」


ミーシャ
「!?」


キングが来る!


私はベッドにダイブし、ぎゅっと目を瞑った。



ドアの開く音がし、恐らくキングが入ってきた。


すると、一気に眠気が襲ってきてそのまま寝てしまった。




*   *   *
キングSIDE


まったく・・・、マーリンの奴ミーシャが起きたってどうして気づいたんだろうか・・・・。


ベッドの上では、ミーシャがすやすやと寝息をたてて眠っている。




マーリンが貸してくれた「眠り薬」と書かれた瓶を片手に、ミーシャの顔を改めて見つめた。


その瓶をミーシャにかけ、眠らせたのだ。




顔に所々傷がついており、綺麗な顔がもったいなく思えた。


昔、ミーシャがオイラの妹の森、「妖精の森」に迷い込んだ時があった。


妹のエレインが、オイラの元へ行くよう言われたのが事の発端だったんだ。


そして、オイラとミーシャは出会ったんだ。

あの頃のミーシャは、まだ罰を与えられたばっかだったから、声が発せない不自由に
オイラも、本人も大変困惑した。


ミーシャが再び旅に出た時は、少し様子を見に行った。

案の定、周りからは空気扱いで、挙句の果てには泥棒扱いもされた。



でも、ミーシャはとても優しかった。



困っている人を見ると、すぐさま近寄っっていった。



脱線した馬車を元に戻そうと押したり、
飛ばされた帽子を必死に追いかけたり、


それを見て、オイラは安心した。


何しろ、ミーシャは人一倍優しかったし、とても強かったのだ。

あ、肉体的な意味で。


だが、そのミーシャがこんなボロボロで帰ってきた。



初めて出会った頃と比べ物にならないくらいだった。



普通、お腹が空いて道に迷ったくらいじゃあんな傷だらけにはならない。


それは、誰もが察していることだった。


オイラはそっと頭を撫で、


キング
「ごめん・・・・」


ぽつりとつぶやいた。
/ 55ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp