第2章 過去の記憶と生命と
瓶を蓋してあるコルク状のものを開けると、中には白くて丸い薬が複数入っていた。
私は、それをそっと一つつまみ出し、口に放り込んだ。
すると、ものすごい苦味が口に広がり、イスから転げ落ちてしまった。
その拍子に近くの机に頭を強打し、そのまま意識が遠のいた。
* * *
ううーん・・・・。
いっててて・・・・。
頭がズキズキする・・・・。
うっすら目を開けると、見覚えのある天井が見えた。
ここ・・・・メリオダスの家の二階じゃん。
あ、そっか。私頭打って・・・・。デジャヴかよ・・・・。
というか間抜けすぎて泣けてくるわ・・・・。
そろそろとベッドから降りる。
すると、下から声が聞こえてきた。
ディアンヌ
「まさかあの子があの重罪の人だとわねー」
ゴウセル
「幼かったな」
バン
「ガキな」
キング
「だからガキじゃないって!」
マーリン
「というか、大丈夫かしら・・・」
ディアンヌ
「何が?」
マーリン
「もしも、ミーシャが大罪人と偽って私達を殺しに来たって考えてもおかしくはないのよ?」
・・・・まぁそうだよね。
普通警戒するよね・・・・。
急に、私を助けてくれたメリオダス達に後ろめたさが湧き上がってきた。
今からでもいい。手当てして貰ったけど・・・、窓からでもいい。抜け出そう。
そう決意し、置手紙を残そうと思った瞬間、
メリオダス/キング
「「それは・・・・」」
エリザベス
「それは違うと思います!!」
一同
「「「!?」」」
エリザベスの声が響いた。
窓に向きかけていた足を、再びドアに向ける。
エリザベス
「手当てをしていた時に・・・、ミーシャさんが苦しそうに呻いていたんです」
キング
「え!?」
エリザベス
「怖い夢を見ていたのでしょうか・・・、とても怯えていました」
!?
エリザベス
「それに、手を握ってきたんです」
ディアンヌ
「手?」
エリザベス
「えぇ。何故でしょうか・・・・助けを求めている・・・ことを感じました」