第2章 過去の記憶と生命と
メリオダス
「声に魔力が宿る、っていうレアなケースのやつだな」
ミーシャ
「(コクリ」
メリオダス
「そのせいで、町を全壊したんだ。丸々一つ」
ミーシャ
「(コクコク」
キング
「そして、ミーシャに科された刑罰は」
『世界を回り、人々を助ける』
メリオダス
「ミーシャは魔力も能力も例外だから、こういう罰になったらしいんだ」
キング
「普通は死刑や監獄なんだけどね」
私はふぅ、と息をついた。
『それに、人に害を与えぬよう魔力を操る声も奪われたの』
エリザベス
「だから声が・・・・」
『声帯を傷つけられ、もう一生声が出なくなったの』
エリザベス
「そんな・・・・・」
微笑しながら見せると、エリザベスはこちらを見て暗い顔をした。
メリオダス
「それが、こいつの半生さ」
メリオダスのその一言でこの話は終わった。
すると、
キング
「そういえば、どうしてあんなに傷だらけだったんだ?」
キングが問いかけてきた。
ミーシャ
「(ギクッ」
思考がフリーズした。
私は咄嗟に、
『最近何も食べてないから』
と書いた。