第1章 。。。
何故か起きた私の目にも涙が浮かぶ
「なんで涙とまんないの?」
ふいに声を漏らす
あまりにも小さい声は風に掻き消される
気がつくと陽は落ち
すっかり夜になっていた。
少し小高い丘にまで歩いてきた
丘には無数の刀が突き刺してある
「ここなら獣とかの心配もないよね」
帯刀していた刀に触れながら独り言。
刀が少し熱を帯びていたような気がした
ふと空を仰ぐと綺麗な三日月が出ていた
三日月―――
あまりにも美しく目が奪われる
こんな感覚どこかであったような…
深い青と光り輝く金のコントラスト
一瞬木々がざわつく。
そんなことを気にもとめず
歩いて体力を使いまたしても私は夢に落ちる