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三成さんと永利さん

第1章 三成さんと永利さん


29

着替えようと部屋に向かって後ろを向いた時に
ポンポンっと肩を叩かれ、その方を見ると美しい女性がにこりと頬笑む。

「ええと、助けて下さった方の奥さまです?」
「うん、市って言うの、宜しくね」

私も背が高いけど、この方も背が高いなあ
ぼうっとそう思うと「お着替え、手伝う、よ?」と言って下さり

「あ!すみませんっ!じっと見ちゃって」
「気にしない、で?市は平気」

正直、連れて行かれたせいで体力的にもキツかったので
お手伝いはとても嬉しいし助かる。
それに、凄く久しぶりに女性と話すなんて嬉しい。

着物を寝間着から来客用を着付けて下さって
市さんに頭が上がらない!
着物着付けるスキル持ってる女性なんて現代じゃ貴重です

「え、市さんは織田信長の妹君なんですか?」
「うん、兄さまとても、お優しい、わ」

じゃあ旦那様はあの有名な浅井長政なのかなって
ぽつりと聞いてみたら
ちょっと眉を寄せて首を横に振った。

え、ちょっと不機嫌?このワードは地雷だった?

「市の旦那様は石田三成さま」

お優しいのよ、と頬笑む市さんの言葉に
私の脳内は大パニックです。
えええええ?あの石田三成?史実どこ行っちゃったの?

毛利に使えてると聞いて、うん、どうなってるの?

着物の気付けおわったよと微笑まれたので、はと我に帰り
キョロキョロと着物を点検したら、凄い、パーフェクト。

いつも蜻蛉切さんに着付けて貰ってるのが少し恥ずかしくなって
着付け、市さんに教えて貰おうかな。

「皆の所にいこう?皆待ってる、よ」
「はい!今行きます!」

思わず市さんの着物の袖を掴んじゃったけど
嬉しそうにふんわりと微笑んで
私の頭を撫でて下さいました。

あー、癒しですー女神だぁ
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