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三成さんと永利さん

第1章 三成さんと永利さん


23

取り敢えず永利が粥を食べたのを確認し、周囲の書類を見てから
三成は過労か、と心の中でごちた

「ったく…人間が耐えれる熱は42度までと言われている。主に死んで欲しくなければ見張っておけ」
「?」

一瞬誰に言ってるのかと思ったら、部屋の外で光忠や歌仙が控えていて
まずいなぁ、この2人はここの本丸の食を任せているから厄介だと少し永利の力が抜けた。

「では私は帰る」
「石田さんありがとう、主を見張っておくよ」

光忠にお礼を言われ、見送られて自分の本丸に戻った。



「んげ」
「よう」
「おかえりなさい、三成さま」

ニヒルな笑みで晴久が待ってやがった。
あー、私も人の事が言えんな、私も大概仕事魔人だったわ

「今日持って来た仕事は何だ」
「俺は今日、様子を見に来ただけだ。仕事じゃねえよ」

どこ行ってたんだ?と聞かれれば

…なんて言えばいいんだ?永利とは…友達と言うにもちょっと違うし
審神者仲間?いや、仲間でもない?

「知り合いのとこ?」
「何で疑問形なんだ?」
「正直わからん」

まあ、いいや。と晴久を持て成し
3人で茶を啜り永利と言う男と会った時の話をした。

「ほー、お前の一撃を耐えたのか」
「本気は出してなかったがな」

思えばあれからが縁の始まりだったのかもしれない

ぐちぐちと演練での事や
最近催促されるお八つの事を言えば思い切り笑われ

「お前自覚がねえのかよ」
「自覚?」

何の事だと聞けば溜め息が返ってきて

「お前、そう話す奴は皆内側に入れてるだろ?」
「…」
「凄い嫌そうな顔すんな、事実だ」

だから義兄上も面白がってるんだよ。
何かそう言われると否定しにくいものがあって…

あー、でもこう考えてるのが面白がってるんのか元就め。
何か笑われながら晴久にポンポンと頭撫でられてるし

「…深く考えないで認めとく」
「そうしとけ」

今度吉継も連れてくるから紹介してくれ、と帰ってく晴久を見送って

「友、ねぇ」

言い知れぬ違和感あるけど
そういうものなのかね?

「市は永利をどう思う?」
「大切な、お友達、よ?」

あ、もう市が認めてる時点で腹括らないとダメだ。
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