第1章 三成さんと永利さん
「こんのすけー」
「はいっ! お呼びですかっ!」
「ん、ちょいとお使い頼まれてんか?」
「かしこまりまして!!」
声を張ることもなく、どこか気が抜けたような声で名前を呼ぶとぽんっという音と共に永利付きのこんのすけが姿を現す。
用事を頼む目的では滅多に呼ばないに、こんのすけが今日こそはと目を輝かせて身を乗り出すのを頭を撫でて落ち着かせながら用件を口にする。
撫でる手が気持ち良く、腹を見せながらも元気な返事をするこんのすけを一頻り構い倒してから肩に乗せると永利は幼馴染の本丸に繋げてあるゲートを潜った。
数日後、ぶつぶつと幼馴染に文句を言われながらも用意して貰った手製の菓子を箱に詰め、まずは事前にアポを取ろうと三成の本丸にこんのすけをお使いに出す永利が居た。