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三成さんと永利さん

第1章 三成さんと永利さん


「お疲れさん。怪我は?」
「三日月殿が少し、後は問題ありません」
「刀装壊れた奴は居る?」
「それはいませんね。多少傷はついていますが」
「さよか。三日月、どないしたい?」
「はっはっはっ、まだ心配には及ばない」
「さよか、せやったら次進もうか?」

永利の先の戦闘に何かをいう刀剣はいない。と、いうのも本能で戦とその方法を知る刀剣たちと道場で互角に渡り合うだけの力があることを既に示されている。
心配するだけ無駄とは、次郎の言である。
問い掛けに答え、指示に刀剣たちを纏めたのは本日の近侍になっている太郎である。今日は経験値を積む、という名目で来ている合戦場であるため刀剣たちの心にも余裕がある。
危険地帯に来ているという認識はあれど、少々緊張感がない雰囲気で馬を駆る。
この日はあといくつかの合戦場を抜けた後に帰ろうか、という話になっていた所で普段なら他の審神者の隊と混じることがまずない。
永利はのんびりと刀剣たちの後ろをついて行きながらそれでも不可思議な予感に襲われていた。
なんとなく……そう、なんとなく、である。
第六感という物がそこそこ発達していると思っている永利は、その予感に誘われて不意に馬の首を横に向けた。
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