第10章 大丈夫
試合開始時間
まいちゃんと一緒に見に来ました
ホームベース前に並ぶ西高校と優聖学園
「お願いします!!」
両校のあいさつとお決まりのサイレンで試合は始まった
先攻は優聖学園
先発は信五くん、ではなく2年生の潤くん
2年生なんだけどものすごくうまい
素人が見ても分かる
優聖学園からオファーが来ていたのにも関わらず断ってうちに来たらしい
「しまっていくぞー!」
あ、二宮くんじゃないか
いつも大きな声を出さないんだけど
そりゃあまあ試合は声を出す
「「ストライク、バッターアウト!」」
1番バッターは三振で抑えた
2番のバッターを見て驚いた
愛花「しょ、う」
まい「翔くんから聞いてなかったんだ」
愛花「いや、会ってない」
まい「そりゃそうか」
いとこの翔だった
さすがにびびる白石
翔がレギュラーとるなんて思ってなかった
失礼だけど、ね
すると二宮くんがマスクをしたまま
「セカンド下がれ」
そういった
きっと翔の打つ方向を覚えてるんだ
すごいね、二宮くん
私覚えてられません3年も前のことなんて
相手の高校の吹奏楽部が応援のメロディーを奏でる中
潤くんが投げたボールを翔は打ちやがった
翔のばぁーーーーか!!!!
さすがに言わなかったけど言ってやりたかった
しかしうちの野球部すごいもんで
翔が打ったライナーをセカンドがノーバンでとりツーアウト
愛花「やったぁー!」
まい「そんなに嫌いなの、翔くん」
愛花「うん、頭いいから嫌い」
まい「それ自分が悪いよね」
愛花「うっさい」
次のバッターも三振で抑え、スリーアウトチェンジ
うちの学校って本当にすごいんだな、と思った
まい「二宮くん4番なのか」
愛花「うそ」
まい「いや、得点板見ろよ」
愛花「あ、ほんとだ」
4番てすごいね
周りに自慢したくなるほどだ
まい「まだ1回だから油断できないな」
たしかにそれもそうだな