第10章 大丈夫
4回の表に1点入れられてしまい
そのまま9回裏になってしまった
まい「ハラハラですな」
愛花「しっ!」
静かにしなさい、まいちゃん
吹奏楽部の演奏が鳴り響く中
試合中の選手には聞こえないはずの
まいちゃんの言葉をかき消した
今は1番バッター
何周目かは分からないけど
と思ったらレフトへ打球が飛んでった
まい「ヒットだ!」
そのままセカンドへ進んだ
愛花「よかった〜」
まい「でも…」
愛花「まだ終わってないよ」
もしかしたら自分の試合より真剣かもしれない
1番バッターが打っても続かないのか
2番、3番、とことごとく三振を食らってしまった
まい「二宮だね」
愛花「うん、そうだね」
もうこの状況だけで涙が出そうだった
愛花「二宮くんなら大丈夫、きっと打つ」
ーカキン
その音がなった瞬間
周りの音が急に消えたようだった
まい「ホームラン、サヨナラホームランだ!!」
ほらね、二宮くんは大丈夫
『大丈夫』END.
セカンドにいたランナーが戻ってきて
二宮くんも続けてホームに戻ってきた
それと同時に西高のメンバーが集まってきた
チームを優勝に導いたヒーローが
私の彼氏だなんて光栄ですね
甲子園初出場をして2回戦で負けてしまった西高校でしたが
二宮くんの野球人生に思い残すことはなかったらしいです