• テキストサイズ

【DQ11】星屑の旅人

第5章 次なる旅立ち


――そうね。あるいは、そうだといいわね。

○○はきっと、そのセリフを期待していた。

ではなぜ自分は、分かっていながら、それを口にしなかったのだろう――

風は追い風南風、船足は早く快調そのものである。
この様子ならもう二三日で、サマディーのある大陸の岸壁が水平線に姿を表すはずだ。

デルカダールでは巡りあなかったもの、あるいはもっと想像もつかない、『何か』に出会うかもしれない。

――今はこの海であり、船であったように。

それは○○を、シルビアを、一体どこまで導くのだろうか。

――シルビアは、頬を撫でる夜の潮風に、ただ目を閉じる。

出来ればもう少し弱く吹くようにと、ぬるい南風にひそかに祈った。
/ 122ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp