第2章 二ヶ月目の戦い
『……え』
私とイヤミ社長は固まった。
振り向いた。
あ。いらしたんですか。六人のお兄様方♪
「何か悩みがあるみたいだから、話を聞いてあげようと探していたら」
こぶしをワナワナと震わせるおそ松さん。
「悪い子猫ちゃんだな。だが、そういう女豹の一面も嫌いじゃないぜ」
やはりサングラスをしてるカラ松さん。
「最初に会ったときは良い子だと思ったのになあ~」
と悲しそうなチョロ松さん。私にも不思議です。いったい誰の影響なんでしょう。
「松奈ー! じゃあ早く薬を飲んでよ、俺とデートしようー!!」
たまには空気を読みましょうか、十四松さん。まだ薬は届いてませんって。
「映画館で今日公開した恋愛物を観に行こうよ。それから有名レストランで食事をして、
イルミネーションを楽しんで、スタバァで新作のフラペチーノを――」
高速でスマホをいじりつつ、即興でデートコースを作成するとか、すごいっすね、
トド松さん。やはり美少女薬を飲む前提か。
「…………」
だから、だから沈黙しないで、一松さんっ!!
あと別れるとか言わないで下さいね、頼むから!!
そして六人が私たちにジワリと近づき。
『さて』
「いやああああー!!」
「シェー!!」
河川敷に悲鳴が響く。
…………
血のつながっていない兄たちから迫害される哀れな美少女、松奈。
その後、六人のクズ集団に酒をおごらされ、お酌を強要されたのでした☆
いったい私が何をしたっ!!