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【松】六人の兄さんと過ごした三ヶ月

第8章 派生④カラ松END



「カラ松兄さん! 手伝うよ!!」
 後ろでは十四松さんが、いつもの予測不能な動きで、カラ松さんと梱包を解く作業に入った。

「どう? あいつ優しい?」
 台所で一松さんに聞かれる。

「うーん。少しノーグッドなときもありますが、たいていジェントルなクールガイですよ?」
「……まあ上手く行ってるみたいだね。何かあったら言って」
「はい、ありがとうございます!」

 一年の間に、一松さんとはすっかり兄妹に戻れた。
 私はまた世話を焼かれるようになってる。
 他のご兄弟も、言わずもがなである。

 そして今度はおそ松さんが飛び込んでくる。
「二人とも! 今夜はうちで引っ越しパーティーだからな! 
 セッ○スしすぎてサボるんじゃねえぞ!!」
「声大きいから……」
 先が思いやられるなあ。

 でもまあ、これはこれでいいのかもしれない。
 家族思いのカラ松さんは寂しい思いをしなくて済むし、私も毎日が楽しい。
 大好きな人たちがすぐ隣にいるんだから。

「カラ松兄さん、夜までに終わりそう?」
「ノープロブレムだ! チョロ松!」
「松奈、ちょっとこの量、多くない?」
 私からメモを受け取り、げんなりする一松さん。

「仕方ねえな。じゃあ片付け組と買い出し組に分かれるぞ!」とおそ松さん。
『おー!』
「何で私たちの家なのに、皆さんが仕切るんです……」

 まあそんな感じににぎやかで、カラ松さんの就職も私の夢の実現もまだまだ先になりそう。
 だけどこんな日々が続くのも最高に楽しく、とても嬉しいのであった。
 
 そして松野家にパーティーに行くとき、玄関でカラ松さんが私の耳元にささやく。

「ハニー、もう少しの辛抱だからな。今夜は寝かさないつもりだから……」

 酒盛りで明け方まで飲んでるパターンでしょうな。
 ちゃんと連れ帰りますからご心配なく。

「大丈夫ですよ、カラ松さん」
 こっそりキスをし、微笑む。

「私もあなたといられるなら、どこだって最高に幸せですから」

 カラ松さんが微笑む。私よりもっと幸せそうに。

「よし子猫ちゃん、行くか!」
「はい!」

 二人で手をつないで幸せな場所へ。

「大好きです、カラ松さん!」


 楽しい時は終わらない。


 私はこの不思議な街で、大好きな人と最高に幸せなのであった。



 ――Happy End――


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