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【松】六人の兄さんと過ごした三ヶ月

第1章 最初の一ヶ月



「……はあっ、ぁ、はあ……や……ぁ……」
 気がつくと愛撫を求めるように腰を浮かしている自分がいる。
「ん……松奈……こっち、向いて……」
 振り向くと肩越しに口づけされ、そのまま仰向けにされた。
 びしょ濡れになった下着が性急に取り払われ、身にまとう物がほとんど無くなる。
 熱い。全身が熱い。そして……欲しい。
 まだ夜明けは遠い。
 軽く汗をかく一松さんが、私の身体を見下ろし、わずかに喉を上下させるのが見えた。
「……いい?」
 何を、と聞かなくても分かっている。
 私は半泣きの目で、声に出さずうなずいた。


「……い……た…っ……」
 シーツをしわが出来るくらいに握りしめる。
「……い、痛い……痛っ……!」
「あんまり腰を引くな。ゆっくり、やるから……」
 私の両脇に手をつく一松さんも、少し辛そうだった。
「痛っ……う、動かないで……!」
「分かったから」
 うん。まあ、初めてですしね。

「ぁ、あ……や……はあ、や、あ……」
 少しずつ動かれ、鈍痛を感じながらも、こらえる。
 涙で潤んだ目で一松さんを見上げ、さして立派でもない胸を上下させ、息を吐いた。
「……っ、ダメだ……」
 そして、こらえきれなくなったのか動きが再開された。

「うん、だい、じょ、ぶ……」
 痛いけど、それ以上に熱い。変な熱で頭がどうにかなりそうだ。
 一松さんを見上げる。何がどうして、どこが、なんて自分にも分からない。
 それでも好きになってしまったんだなあと、どこかでため息をついた。
「……。一松、さん……」
 手を伸ばして彼の背に触れると抱きしめられる。強く、強く。
 慣れていない彼も、汗を垂らし、私に軽くキスをしながら苦しそうに、
「ごめん。俺、止められ、ない、から……」
「うん。来て、下さい……」
 痛みはまだあるけど、突き上げられる度に思考が混濁してくる。
「や、ああ、あっ……ああ……!」

 荒い呼吸がどちらのものか分からなくなり、ただひたすらに、彼の熱を受け止める。
 そしてどれだけの時間が経ったのか。

「……っ……!……」

 小さく息が吐かれ、痛いほどに強く抱きしめられた。終わったみたいだった。

 それからゆっくりと、圧迫感が私の中から出ていく。

 そして彼は、脱力したように私に体重を預けた。重い重い。

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