第1章 最初の一ヶ月
「松奈。その……胸、触って、いい?」
「超絶にダメっす」
「あっそ」
普通に触られた。無視するなら聞かないで下さいよっ!!
「ん……あ……う……」
不器用な手つきでブラが上に押し上げられ、柔らかい場所が見えてしまう。
そこに手が這わされ、もう恥ずかしくて一松さんの顔を見ていられない。
目を閉じるけれど、そっと触れられたり、ゆっくりと舌で触れられ、軽くかまれて余計に感じてしまう。
身体の一番奥が、電撃が走ったみたいに震えた。
「ダメ、やっぱりダメです!!」
つい前を押さえ、横に転がってうつぶせ状態になる。
「後ろから? おまえ、特殊性癖?」
おい。それは寝間の冗句なのか、D○の渾身のボケなのか。
「金、払おうか?」
背中から抱きしめ、少し意地悪く笑いながら一松さんは私の耳元にささやく。
「そのえげつない冗談、もう止めて下さいよ」
「だよな。でもここまで来て逃げられたら、俺、松奈に何をするか分からないと思う」
執念が怖っ。
そして当たっている。物理的に。私の後ろに硬い『何か』が当たっている。
「ほら」
「……っ!!」
強く手をつかまれ、『何か』を強引に握らされ、真っ赤になる。
「あ、あの……あの……」
「もう観念しなよ。男にここまでにさせといて、逃げる気?」
声に殺意がこもっている。
「そんなにひどくは、しないから……」
どうだかなあ。
一松さんが身を起こし、上着を脱ぐのを、私はぼんやり見上げていた。
「あ……ぅ……」
後ろから抱きしめられ、乱暴に胸を愛撫される。
向こうももう腹をくくったのか、動きにためらいや遠慮が無くなった。
首筋をかまれ、かなり荒い息が耳にかかる。
もがこうにも動けない。今さらながら、相手が男性だと思い知らされる。
「下、触るから……」
「……や……っ……それだけは……っ……」
つい足を閉じようとしたけど、ダメだった。
服の中に手を入れられ、下着の上から弄られる。
「……なんだ、結構、濡れて……」
「いいいいい言わないで下さいっ!!」
手近な枕に顔を押しつけ、ただただ羞恥に耐える。
蜜のあふれる辺りを手荒く蹂躙され、濡れた音がやけに大きく聞こえる。
「あ……あ……っ……!……」
一番敏感な一点を執拗に弄られ、もう羞恥で死ねる気がした。