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【松】六人の兄さんと過ごした三ヶ月

第8章 派生④カラ松END



「愛してます、カラ松さん。今、最高に幸せです」

 ちょっと曲がりくねった道ではあったけど、こうして最愛の人に出会えた。

「俺もだ、ハニー。もう離さないからな」
 熱くキスをし、私たちは夜の海に溶けていった。

 …………

 …………

 そしてさらにさらに日々は流れる。

 カラ松さんは就職を決め、ネクタイを締めて出かけるようになった。
「いってらっしゃい」
 私は笑顔で旦那様を見送る。
「もうすぐだな」
 スーツ姿もなじんできたカラ松さんは、嬉しそうに私のお腹を見て、いってくると手を振る。
 私も鼻歌まじりに家事に戻る。
 ゴミ出しに出れば、近所の奥様方が笑顔で、

「あら、もうすぐね」
「若いんだから、旦那さんにも頑張ってもらわないとね」

 と笑われる。私も幸せいっぱい、お腹の中の命を幸せに思いながら家に帰る。

 そして少し寂しい思いで空を見上げる。

 一松さん、他のお兄さん達。
 皆、今頃どうしているんだろう。
 松野家のニート達はもうニートではなくなった。
 一松さんは所在不明らしい。でもきっと元気でいるだろう。

「一松さん……ありがとう」

 お腹の子につける名前は決まっている。

 私は涙を拭き、家への道を戻った。

 私は世界で一番幸せだった。


 ――Happy End

 …………

 …………


 ――という夢を見た☆


「ああ!?」

 叫んでバッと起き上がり、慌てて周囲を見回す。
 まず自分のお腹を確認する。
 ……普通である。いや、食ってるもんを反映し、相応につまめるが。
 だ、ダイエットしよう、明日から。

「ゆ、夢オチ……っ……!?」

 ものすごい脱力感と失望に、お布団の中で頭を抱えた。
 一切合切夢だった。いや、途中までは夢じゃないんだけど。

 どこから夢だって?
 カラ松さんの就職成功あたりからだよ!
 現実の壁は厚くて、結局就職出来なかったんっすよ!!
 私はご懐妊してないし、カラ松さんは未だニートである!!

 以上!!

「ん~? どうしたの? 松奈」
 とチョロ松さんに声をかけられる。
「眠れないじゃない? 何せ明日は決勝だし、緊張もするでしょ」
 と横から眠そうに一松さん。
「心配するな、ハニー。俺が守ってやる!」
 と私に腕枕をしながらカラ松さん。

 ……てか、一松さんっ!?

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