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【松】六人の兄さんと過ごした三ヶ月

第8章 派生④カラ松END



 頸動脈のあたりを舌でなぞられ、一瞬、食いちぎられるかという錯覚。
 そしてちゅっとリップ音を立てながら、舌は鎖骨の形をなぞっていく。

 カラ松さんの息が胸元にかかり、私は壁に押しつけられたまま。
 何をさせられるでもなく、自分がどうすればいいか分からない。

 つかカラ松さんが、終始無言でマジ顔なのが怖い。
 いつもみたいに痛いことを言って下さいよ。
 けど心の祈りも虚しく、カラ松さんは私の服の前ボタンを数個外し、あらわになった胸元に口づけを落とす。

「……ん……っ……!」

 犬歯を立てられた。チクリとした痛みに身体がゾクッとする。

 血が出るほどでは無いけど、少し赤くなっている。
 カラ松さんはもう一つボタンを外し、赤くなったところを舐めている。
 うう、だから何でここで……。

「カラ松さん、早く……」

 ベッドに行きましょうよ。
 そう訴えたつもりだったんだけど、

「……っ!」
 上着を一気に引き下ろされ、肩と胸元があらわになる。
 いや違うから。行為を急かしたとかじゃないですからっ!
 てか、入り口で盛ってコトに及ばないで下さい!
 シャワーくらい浴びさせてっ!!
 言葉で言っても聞いてもらえない気がしたので、何とか手を振り払い、胸を隠して壁を向いた。精一杯の抗議のつもりだ。

「松奈……」
 いや違う!! 耳に戻るなっ!!

 また耳を甘噛みしながら、今度はお尻を触りだしてきた。
 あーもう。男の人って、何でこういうとこを触りたがるんだろう。
「……っ」
 ウェストからスルリと大きな手が入り込む。
 下着の上から撫でられ、割れ目を辿られるだけで、カーッと顔が熱くなる。
 何だか急に恥ずかしくなり、無意識に足を閉じ、必要以上に必死に胸を隠し、ただこの状況に耐えた。

「どうした? マイハニー。耳が赤いぞ」
 だから、低い声で話しかけないで下さい……!

 お尻を撫でていた手がさらに下に潜り、さらにギュッと足を閉じてしまう。
「良い子だから」
 片腕が前に回ったかと思うと、後ろにグイッと引き寄せられた。

「……やっ……」
 前に回された腕は、私の身体を支える――と思いきや、胸を弄りだした。

 くすぐるように触れられたり、軽く指先でこすられたり。
 初めてなワケじゃないのに、体温がどんどん上がる。

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