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【松】六人の兄さんと過ごした三ヶ月

第8章 派生④カラ松END



 泣くことないのに、男の人が。でもなぜだか私も涙がこみ上げてくる。

「カラ松さん……」
 抱きしめてくるカラ松さんを抱きしめ返す。
 カラ松さんからは清潔な石けんの香りがした気がした。

 そして、どちらともなく口づけが始まり、すぐにそれは深いものに変わる。
「ん……ん……ぅっ……」
 互いに舌を探り合い、唾液を絡め、互いに深く、深く……。
「……ん……や……」
 そのまま私は抱擁に溺れ、しばしの時が経ち。
 経ち……。

 えーと……。

 ……ちょっと、キスが長くない?
 
 そろそろシャワーに入りたいんですが。
 ホテルの炭酸バスとか結構好きなんだけどなー。
 思考を飛ばしている間も、カラ松さんは私にキスし続けている。

「……ん……ふ……んんっ……」
 いえだから、もうそろそろ良いんじゃないっすか!?
 言いたくとも、頭を押さえる力が強くて声が出せない。
 いい加減に息継ぎが……あふれた唾液が口の端からこぼれるし。

 それとキスをしながら、身体をまさぐり始めないで。
 もちろんそのためにホテルに来たんだけど、せめて余裕をもってシャワーに入って、ベッドでゆっくりと! ほら、あなたの好きなバスローブだってあるんだし!

 カラ松さんの舌を軽く噛んで、『キスはそのくらいで』と促したつもりだった。
「ん……ぅ……ん~っ!」
 いや、逆の意味に取らないで下さい!!
 さっきより強い力で抱きしめられ……い、いたたた! この馬鹿力っ!!

 息苦しい、息っ!!
 殺す気かという勢いで舌を吸われ、唾液を舐め取る勢いで口内を荒らされる。

「カラま、つさ……苦し……っ!」
 手を突っ張って身体を引き離すが、唾液をぬぐう暇もない。
「ちょっと……ひっ……」

 今度は耳を責めだした。
 耳! 耳止めてっ!! そこ、マジでダメですからっ!!
 逃げようとしたけれど万力のごとき腕力で、とても引き離せない。

「マイハニー……」
 間近で聞こえる低い声。それとともに、耳たぶを軽くはまれ、丹念に舐められる。
 耳にかかるカラ松さんの吐息と大きな舌の感触。
「ん……んんっ……」
 まだ身体にろくに触れられてないのに、顔が熱い。

 舌は丁寧に耳を舐め回し、それからゆっくりと首筋へ移動する。

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