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【松】六人の兄さんと過ごした三ヶ月

第8章 派生④カラ松END



 ……いや、さすがにそろそろ限界なんですが。

 実際にそう言った気もするし、態度で訴えたつもりでもある。

「はあ……松奈……可愛……もっと君が……、欲し……」
「カラ、松さん……や……あ、あっ……ひっ……だめ……」

 それでも押され、私もつい流される。
 もう互いの服なんてそこらに放られ、研究所内も薄暗くなり、体液とゴムの散乱するただれた場所で、私たちはただ愛し合った。

「……松奈……終わり、たくない……俺は、君が……」

 そして何度目かに達され、私はぼんやりした頭の中で思った。

 ああ、前にもこれと同じようなことがあったっけ……。

 
 その後は落ちてしまい、覚えていない。
 湯を張った暖かいバスタブの中でカラ松さんに抱きしめられ、何度もキスをされたことが、ぼんやりと記憶に残るのみである。

「松奈……」

 切なそうに言われ、振り向かされ、そして私たちは目を閉じてキスをした。

 …………

 …………

 月の出る土手の上を、カラ松さんに背負われ帰って行く。

「すまない。本当にすまない、松奈……俺は……最低な男だ」
 さっきからずーっと、ずーっと、そればっかりを繰り返している。

 研究所の一件に加え、以前私にしたことを、私が思い出したせいもある。

 以前に私をだまし、ホテルに連れ込んだことだ。
 カラ松さんの落ち込みようは半端ない。

 それに対し、激怒すべき立場の私は、
「まあ、だまされた私も悪かったし、さっきも本気で抵抗しなかったですし……」
 軽い返答をする私に、

「松奈。おかしくないか? おかしいだろう。君はもっと俺を怒るべきだ!」

「タバスコの目薬と、タバスコの座薬、どちらがお好みですか?」

「……えと、ええと……」

 真面目に考えないでいただきたい。
 
「カラ松さん、もう歩けますよ」

 と、カラ松さんの背中から下りる。
 そして眉毛の鋭い、一松さんと同じ顔の人を見上げ、

「私たち、別々の場所で遊んでたってことにして、別々に帰りましょう」

 目を見開くカラ松さんに、

「お互いに、この件は忘れましょう。私は怒ってませんし、誰かに訴えたりしません」

 じゃあ、と背を向けようとすると、

「松奈っ!!」


 後ろから抱きしめられた。

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