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【松】六人の兄さんと過ごした三ヶ月

第8章 派生④カラ松END



「さあ、バスルームに入ろうか、それとも今すぐ……?」
「待て待て待ってっ!!」
 やわらかなベッドに押し倒されそうになり、どうにか止める。
「どうした? ハニー。まだ俺をもてあそぶ気か? やんちゃな子猫ちゃんだ」
「落ち着いて下さい、カラ松お兄さん!! 私は――」

「そう、兄と妹!! そして身内の彼女! 禁断の恋!!」
「禁断すぎるわっ!!」

「だがそれも俺たちの愛を燃え立たせるのみ! 最高の夜にしようじゃないか!!」
「今、真っ昼間だし!! ちょっと、抱きつかないで!!」

 こんなアホ展開のまま流されたら、一松さんにどう顔向けすればいいんだ!

「カラ松お兄さん! 正気に戻って下さい」
 頭を押しのけようとするが、さすがに男性。次男の力は意外に強かった。
 首筋に舌……くすぐったいっ!! 背筋がぞわっとする。

「俺を狂わせるなんて悪い女だ……」
「あなたを狂わせたのは私じゃなくて薬っ!!」
 だがカラ松さんはベッドの上で私を抱きしめ、ゴロゴロしておる。
「松奈……」

 抱きしめられ、キスをされた。

 ショックで一瞬、思考が止まる。

「ん……」
 舌で優しく促され、反射的に唇を開けると大きな舌がそっと滑りこむ。

 ん?

 何かが口の中に入ったような……だが違和感を追及する間もなく、飲み込んでしまう。
「…………」
 息次ぐ間など与えないというくらい、執拗に口づけられる。
「ん……は……」
 誘うように舌を絡められているうちに、なぜか力が抜けていく。
 やっと感触が去り、目を開けると、カラ松さんが優しい顔をしていた。

「ごめん……。出来れば怒ったりしないでくれ」
「は?」

 と、また口づけてくる。何か食い違っている気がする。

「……松奈……俺の可愛い――……」

 頬に手を当てられ、もう一度深いキスをされる。
 カラ松さんは私の頭を抱きしめ、服の上からゆるやかに愛撫をしてくる。

「……っ……」

 お尻に手が行き、ビクッと身体が震える。
 逃げないと、拒まないと……。
 しかしもはや時遅し。
 お馬鹿な私がぐずぐずしている間に出口はバタンバタンと閉まり、今や密室に、ケダモノと二人きりでいる状況であった。

 また私が悪いの? ちゃんと説明しなかったから?

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