第7章 派生③おそ松&チョロ松END
「兄に照準を合わせられない時点で失格だろ。情が入るようじゃ、女を取り戻すのは一生無理だな」
いや、あんたらも一松さんも、何をやってんですか!
マジで何の仕事をして、外の世界はどうなってんの!?
が、このマンションは一松さんの監禁小屋に劣らぬセキュリティ態勢。
私は外部の情報から一切合切、遮断されている。もちろん一人で勝手に外に出るのはダメ。
高級店で外食するときとか、外に連れ出してもらえる機会はあるけど、二人のどちらかが一緒なのが条件。
何やら高そうな黒い車に乗せられ、二人が私のそばを離れるときは、必ず部下の人が見張ってる。
あれー? この人たち、つい×年前まで、『働きたくないー、養われていたいー』って部屋で漫画や求人誌を読んでゴロゴロしてたんですよね。
何で? どうして、私はこんなところにいるの?
どんな超展開? 何の悪夢なの!?
「全部松奈のおかげだよ。松奈のために頑張ろう、松奈に認めてもらいたいっていう一心で、俺はここまで来れたんだから」
とろけそうなキスと愛撫をしながら、チョロ松さんが笑う。
もう兄に引きずられなくとも、私をリードする気構えがある。
「悪女? 小悪魔? すごいよなあ。松奈は」
いきり立った××で私をゆっくり貫きながら、おそ松さんが笑う。
この人だけは、あまり変わってない気がする。
相変わらずクズで何を考えているか分からず――怖い。
「ダメ……やぁ……もっと、……あっ……あ……ん……」
無知な私だけが二人にされるがまま。
いいようにされ、休む間もなく奉仕させられ、あえぐしか能が無い。
けど、どれだけ快感を与えられても、心の中に一人の男性の姿がある。
一松さん……。
いつか再会出来るんだろうか。
そのとき、いったいどんな風に成長し、私をどう扱うんだろうか。
怖いような、待ち遠しいなような。
でも、今はそれだけが唯一の希望。
「松奈、愛してる」
「一生、離さないから」
三人の夜はまだ始まったばかり。
私は心にかすかな痛みを感じながら、終わりの無い快楽の海を、どこまでも堕ちていった。
――END