第7章 派生③おそ松&チョロ松END
もがく。とにかく必死にもがく。
頑張れ私。
だけど、どうにでもならないことはある。
「松奈~。照れ隠しにもほどがあるぞ~。えーとツンデレって言うんだっけ?」
「多分違うし、最近ツンデレはあまり使わないよ。おそ松兄さん」
上半身を長男に押さえつけられ、下半身に三男が乗り。
そして二人はアホな会話を交わしている。
必死に、必死にもがくんだけど。
「だーかーらー。優しくしてあげるから大人しくする!」
手を振り回せば手首をつかまれ、足をバタつかせれば足を押さえられ。
拒絶や罵声は口を手でふさがれ、こちらの抵抗を無視してボタンを外される。
それでもなお暴れていると……疲れてきた。
ついに暴れる体力も尽きると、やっと口から手が離される。
「そうそう。良い子、良い子」
クソ長男に頭を撫でられても嬉しくない。
荒い息をつきながら、悔しくて涙を流していると、長男に胸をつかまれた。
先端部を指でつつき回され、ドクンと心臓が鳴る。
ここはどこか。言うまでもなかろう。恋人用の休憩所。
時刻は深夜。松野家には連絡済み。
一松さんには分かってしまっただろう。いつかの時と状況が同じだ。
もう……全てがダメな気がする。涙がにじむ。
そんな私とは裏腹にクズ長男は胸を愛撫し、
「揉むと大きくなるって、やっぱ噂かな。でもまだ可能性はあるよな。どう思う? 松奈」
色々と失礼なことを言われているような。でも指で敏感な箇所を擦られ、うわずった声が出た。
嫌だ。感じている自分に嫌悪しかない。
「止めて……くださ……」
残っている体力で、あきらめ悪くもがいていると、
「おそ松兄さん。やっぱり無理やりって良くないと思うんだけど……」
私の下着に手をかけながら、真面目そうな犯罪者は言いやがった。
「いや無理やりじゃないっしょ。だって、ここまでついてきたんだしさ」
私の両手首を片手だけで封じながら、おそ松さんは笑う。
ついてきたというか、連れてこられた。
ニートの癖に、何で体力が尋常じゃないんだ、この人ら。
「ほら松奈、こっち向いて。キスしよう」
顔が近づいて、思わず目をそらす。けど空いている手が私の顔をつかみ、上に向けさせる。
そして唇が重なった。