第7章 派生③おそ松&チョロ松END
私を抱きしめ、ひたすらキスを繰り返し、クズチョロ松さんは詫びてくる。
「松奈、ごめん。ごめんね。こんな犯罪みたいなことして……」
「犯罪みたい、ではないですよね。どう言い訳しても犯罪ですよね!」
しかし拒もうにも、チョロ松さんも意外と力がある。
私をつかんでくる手には『獲物を逃がすか』という、非モテ男の意地を感じる。
「協力してくれるんじゃなかったんですか? チョロ松お兄さんって、言ってることとやってることがバラバラですよね」
毒舌を吐いてやると少し黙り込み、
「……途中までは協力しようと思ってたんだけど……」
「ん……」
私にキスをし、唇を舐めてくる。我慢出来ない、という感じに首元に顔をうずめ、わずかに見える鎖骨に舌を這わせた。
「松奈が一松しか見えてないって聞いたら……自分でも、ワケが分からなくなっちゃって……」
罪悪感を抱くのも、私に欲求を持つのも、どっちもウソじゃないんだろう。
苦しそうに顔を歪めている。そんな顔を見ると、ちょっと可哀想に――。
「ごめん。顔を見てられない。ちょっと、壁を向いてて」
壁の方を向かせられ、手をつかされた。
「は? え?」
「……ん……」
うなじに息がかかる。後ろから胸に手を回され、下半身にも手が伸びる。
……同情しちゃいけないやつだった。
どうして私って、いつもこうなんだろう。
「松奈……もしかしたら俺、本気で君のことを……」
「それ以上言ったら殺すから、黙ってて下さい」
奴のしてきたことを振り返れば、100%詭弁であることは一目瞭然。
「そうする……ごめんね」
これなら開き直ってる分、おそ松さんの方が良かったかなあ。
私は私で、そんな末期的思考に陥っているのであった。
「……や……ん…ぁ、ん、あ……」
薄暗いビル内に、かすかな泣き声と、ぐちゅ、ぐちゅ、と濡れた音が響く。
「濡れてる、ここ、いいの? それともこっちがいいの?」
「そこ、ぜん、ぶ……ダメ、もっと……」
壁に手をつき、息絶え絶えに呟く。下はもう、足首まで全部下ろされ、後ろからぐちゅぐちゅと指で弄られている。
「はあ、はあ……あ……はあ……もっと、おね、がい……」
もう壁に爪を立てる勢いで、無意識に腰を動かしている。