第6章 派生②一松&十四松END
十四松さんは私にキスしたり、胸を舌で愛撫したり。でも一向に強さも速さもゆるまない。
「だ、め……もっ……と…あ、あっ……いや……」
恋人でもない人にヤラれて……何で、気持ちいい、の……。
「……ひひ……エロ……」
快楽の間に視線を転じれば、私たちの行為を見てご自分のものを扱いてる恋人。
何なの、このカオス。
でもどうでもよくなるくらい、気持ちいい。何もかもどうでもいい。
「……松奈、松奈ーっ……俺、……も……だ……」
「十四松、もうイクの? まあおまえ、質より量だから、仕方ないか」
今、恐ろしいことをサラッと言った!!
そして十四松さんは、かみつきそうなキスをし、私をぎゅーっと抱きしめ、
「……あ……あ……っ……――っ!」
「松奈ーっ……!
私が達すると同時に、十四松さんも達した。
「はあ、はあ、はあ……」
私は汗ばんだ身体でぐったりし、十四松さんを抱きしめる。
「松奈~」
十四松さんは嬉しそうに私に何度もキスをし、一旦身体を離し――。
「……え……?」
ガクゼンとした。
十四松さんは再準備を終え、私の足を抱え直していた。
いや、まさか……まさか、ね……?
「まだまだー!」
そしてまた貫かれ、抽挿が再開される。
「ちょっと……待って……! やだ、限界……っ……」
「言ったでしょ。こいつ、質より量だって。これで今日は疲れて、夜まで何も出来ないよねえ」
暗い笑いを浮かべ、自慰をしながら笑うクソ恋人。
私はもう涙目で、一向に収まらない二人目の恋人を見る。
「あ……や……やあ……!――あ……ああ……!」
そして狂宴は終わらない。
そんな歪みに歪んだ日々。
それが最近の一松さんとの、平凡な日常だった。
…………
…………
…………
そして日々は平和に流れていく。
「松奈。本当に料理が上手くなったわね」
「お母様のご指導の賜物(たまもの)ですよ」
「これならいつお嫁に出しても大丈夫ねえ」
「もう、お母様ったら」
「松奈ー!! 相手はどこの男だ!! と、父さんは許さないからなっ!!」
あははは……と平和な朝に笑いがこだまする。