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【松】六人の兄さんと過ごした三ヶ月

第6章 派生②一松&十四松END


 …………

「断固拒否します」
 上半身にシャツだけ引っかけた私は、一松さんの横に座って、彼の腕にすがっている。
 そして目の前のイカれた五男を冷たく見やった。

「松奈~」
 十四松さんは下半身を出したまま。
 半勃ちのモノをズボンからのぞかせたまま正座し、情けない顔。
「松奈、お願いだから~」

 誰が許すか。人の顔に何つうもんを放出してんですか。あー、まだ臭うかも。
 一方、欲望を解放した一松さんは事後モードに突入したのか、すっごく穏やかな顔で私をはべらせている。
 私の裸の腰を抱き、正妻(!?)の余裕で、

「ヤラせてあげれば? まあ確かに早かったけど、松奈に興奮してただけなんだし」
「いや、早かった点に怒ったわけではないですからね!?」

「俺にヤラせて、十四松にヤラせないって不公平だし。いいじゃない」

「…………」
「松奈ー」

 十四松さんは股間を持ち上げたまま、期待の目。
 はあ。何でこんなことになったんだ。

 元々私と一松さんはラブラブな恋人同士であった。

 でも私が元の世界に帰ると表明したあたりから、こじれ出した。

 そして一松さんは、自分一人では私を束縛出来ないと判断。
 何と、味方として十四松さんを引き込んでしまったのだ。

 十四松さんがこのことをどう思っているのかは謎。 
 私への恋愛感情があるかと言えば、多分無いだろう。

 でも性欲を持てあましていることだけは事実。
 そして彼は一松さんを大事にする、兄思いの弟でもある。
 そういうわけで、十四松さんは自分から喜んで利用されていた。
 しかし私はたまったもんじゃない。
 色々疲れるしアレだし、道具的に扱われてる感がぬぐえない。

「あのですね。やっぱ三人とか無理だし。別れ――」

「拒否権があると思う?」

 一松さん。ここで拒否権が認められなかったら、私の人権って。
 でもその一松さんは、
「いいよ十四松、松奈もいいって言ってる」
 ついに許可を出しやがった! ぱっと顔を明るくする十四松さん。

「言ってませんよ!!」
「……いいの?」
 私の拒否を見て、ややためらう五男。

「いいって」
 許可する私の恋人。
「言ってませんから!」
「うーん……」

 十四松さんは長い袖で口元を隠し、私と一松さんの顔を見比べた。

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