第4章 後日談
「動物みたいにやってみる?」
「そういう言い方は止めて下さい!」
キスをすると、やっぱり舌がザラザラしていた。
そしてカーテンの間から日が差し込む中、畳の上で不健全な行為にいそしんでいる。
「や……やあ……すごく、きもちい、い、です……」
全裸で仰向けになり、足を抱えられている。
一松さんのが、中ですごく擦れて、ほてった身体が悦んでいる。
「ん、すごい締まってる……松奈……可愛い……」
余裕無く私に打ち付けながら、一松さんは愛おしそうに私を見下ろしてくる。
合間に唇や胸、首筋や肩に口づけ、嬉しそう。
「はぁ、や、やぁ…っ……」
気持ちよさに切ない声が出て、腰が勝手に動いてしまう。
「……っ、や、……だめ…っ……」
キスをされて、なんとも言えない温かい感情で心が満たされる。
このままずっとつながっていたいけど、本能が許してはくれない。
「…松奈……っ……松奈……」
一松さんが眉根を寄せ、揺さぶりを早める。
私の中の××が強さを増し、もう限界だった。
「やあ……いちまつ、さ……もっと、おね、がい……」
激しすぎる抽挿と、つがいの動物の声。
視界にあるのはただ愛しい人だけ。
「あ……ああ……――っ……!」
そして何かが内で爆発し、視界が真っ白に染まる。
同時に一松さんも私の名を呼び、強く私を抱きしめながら、身体を震わせた。
「……はあ、はあ……」
心地よくて、何よりも愛おしい瞬間。
「松奈……」
甘えるように私の名を呼び、何度もキスをする。
「良かった?」
言われるまでもない。私は微笑み、こちらからも一松さんにキスをした。
そして午後のまどろみの中、私たちはずっと手をつないでいた。
…………
…………
最近、前にも増して一松さんがいない。
「一松さんはどこに?」
部屋に行ったが、六つ子は知らないと首を振る。困ったなあ。
「こういうときは愛の力で探すべきですね」
腕組みをしてうなずき、私は懐から千円札を出した。
「十四松さん、これを差し上げますから、一松さんの匂いを追って下さい!」
「よしきたー!」
なぜか瞬時に犬の着ぐるみ姿になり、階段を駆け下りていく十四松さん。
『愛の力……?』
ざわざわと顔を寄せる四人を背に、私も階段を下りていった。