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【松】六人の兄さんと過ごした三ヶ月

第4章 後日談



「動物みたいにやってみる?」
「そういう言い方は止めて下さい!」
 キスをすると、やっぱり舌がザラザラしていた。

 そしてカーテンの間から日が差し込む中、畳の上で不健全な行為にいそしんでいる。
「や……やあ……すごく、きもちい、い、です……」
 全裸で仰向けになり、足を抱えられている。
 一松さんのが、中ですごく擦れて、ほてった身体が悦んでいる。

「ん、すごい締まってる……松奈……可愛い……」
 余裕無く私に打ち付けながら、一松さんは愛おしそうに私を見下ろしてくる。
 合間に唇や胸、首筋や肩に口づけ、嬉しそう。

「はぁ、や、やぁ…っ……」
 気持ちよさに切ない声が出て、腰が勝手に動いてしまう。
「……っ、や、……だめ…っ……」
 キスをされて、なんとも言えない温かい感情で心が満たされる。
 このままずっとつながっていたいけど、本能が許してはくれない。

「…松奈……っ……松奈……」
 一松さんが眉根を寄せ、揺さぶりを早める。
 私の中の××が強さを増し、もう限界だった。
「やあ……いちまつ、さ……もっと、おね、がい……」
 激しすぎる抽挿と、つがいの動物の声。
 視界にあるのはただ愛しい人だけ。

「あ……ああ……――っ……!」

 そして何かが内で爆発し、視界が真っ白に染まる。
 同時に一松さんも私の名を呼び、強く私を抱きしめながら、身体を震わせた。
「……はあ、はあ……」
 心地よくて、何よりも愛おしい瞬間。

「松奈……」
 甘えるように私の名を呼び、何度もキスをする。
「良かった?」
 言われるまでもない。私は微笑み、こちらからも一松さんにキスをした。

 そして午後のまどろみの中、私たちはずっと手をつないでいた。

 …………

 …………

 最近、前にも増して一松さんがいない。

「一松さんはどこに?」
 部屋に行ったが、六つ子は知らないと首を振る。困ったなあ。

「こういうときは愛の力で探すべきですね」

 腕組みをしてうなずき、私は懐から千円札を出した。
「十四松さん、これを差し上げますから、一松さんの匂いを追って下さい!」
「よしきたー!」
 なぜか瞬時に犬の着ぐるみ姿になり、階段を駆け下りていく十四松さん。

『愛の力……?』

 ざわざわと顔を寄せる四人を背に、私も階段を下りていった。
 
 
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