第3章 三ヶ月目のさよなら
そんな私に一松さんは薄笑いをもらし、
「ほら、自分で動いてみろよ。いいんだろ? これが」
「あ、あ、や、……や……っやあ……!」
下から突き上げられ、気がつけば半泣きで自分が気持ちいいように動いている。
自分から腰を動かす私に、一松さんは、
「ホント、変態……」
「や……あ、いじめ、ないで……だめ……や……っ!……」
下からいっぱいに突き上げられ、背をしならせた。
雌の身体が勝手に蜜をあふれさせ、突き上げられるたびにグチュグチュと卑猥な音が響く。
何度も達した後なのに、最奥を激しく責められ、快感にただ泣いた。
「いち、まつ、さ……ん……もう、だめ……イッちゃ……あ……」
「……松奈……この……」
汗ばんだ手に腕をつかまれる。
その後は、何が何だか分からないくらいに、互いに腰を動かしていた。
そして。
「……や……あ……やあ……っ……!……」
真っ白に弾け、快感が爆発した。
私の力が抜けた直後、一松さんも達したようだった。
放心したように、私の腕から手が離れる。
つかまれた箇所は、あざになりそうなくらい赤くなっていた。
「はあ……はあ……」
緩慢に腰を浮かせて身体を離し、一松さんの上に倒れ込む。
もう互いに汗びっしょりだ。
暖かい手が私を抱きとめ、いたわるようにキスをしてくれた。
「……ん……」
ほんの少しの間、私たちの間にあったわだかまりは氷塊したかようだった。
しばらく互いに抱きしめあい、気だるい疲労の中にいた。
今度こそ終わったみたいだ。
私は安堵し、一松さんを抱きしめ、キスをねだった。
もちろん、優しい一松さんは応えてくれた。
…………
…………
「……え?」
何を言われたか一瞬理解出来ず、私は目を見開く。
「じゃ、俺は帰るから。そこで反省していて」
「だって……これじゃ……」
私は、さっきの部屋のユニットバスに閉じ込められている。
手錠はされている。片手だけだ。そしてトイレの水道管につながれている。
「だって、一松さん、ここだと……私……」
排泄はどうにかなっても、寝ることも食べることも、ろくに出来ない。
第一、食べ物がない。
一松さんは扉をゆっくり閉めながら、無表情に言った。
「飢え死にしない程度で帰ってくるから」
扉が閉まり、暗闇になった。