第8章 カミングアウト
:ピィー:
召集を知らせる鳥の鳴き声が聞こえたのは、滝に向かうナルトの修行を見ていたときだった。
鳥はぐるぐると俺の頭上で旋回していた。
「…テンゾウ、しばらくナルトを頼むヨ。」
テンゾウにそう告げ、その場をあとにした。
到着すると、呼ばれたのは俺だけではなかったようで大勢の同僚がそこにいた。
サスケの姿もあった。
「集まったようだな。
知っている者もいるかと思うが、最近暁の動きが活発化してきている。
先日、ついに火の寺がやられた。」
綱手様が集まった忍にそう告げると、一人の忍びが手を上げて発言した。
「あそこには、木ノ葉の守護忍十二士の地陸がいたはずです。」
アスマだった。
綱手様はアスマのその言葉に、地陸は暁に殺されたと答えた。
アスマの顔が驚きに染まったあと歪められる。
「このままみすみすやられるわけにもいかん。
…此方からも攻めて見ようかと思う。」
綱手様の言葉に、その場にいた全員が息を飲んだあと決意を秘めた顔になった。
「アスマはゲンマ、ハヤテ、シカマルを連れて火の寺へ行ってくれ。
何か情報があるかもしれん。」
綱手様の言葉に、アスマが頭を下げた。
「それからカカシ、サスケ。
お前たちは今の護衛任務を続けてくれ。」
今度はこちらを向いた綱手様に俺も頭を下げて了解の意を示した。
「…サスケ、俺はナルトの修行に戻る。
宜しく頼んだぞ。」
俺はサスケにそう言ってからナルトとテンゾウのもとへ戻った。