第8章 カミングアウト
sideーカカシー
天地橋への任務から帰ってきたからナルトとサクラは沈んでいた。
テンゾウに聞いたところによれば、ルミと接触があったらしい。
一緒に話を聞いていたサスケの肩が、ルミの名前が出た瞬間揺れたのに気付いた。
どうやらルミは相当強くなっていたらしい。
もともと実力を隠していた節はあったが、大蛇丸の下で修行を積んで更に強くなったのだろう。
テンゾウから螺旋丸に雷の性質変化を加えた術の話を聞いた時は目を見開いた。
(更に新しい術まで覚えてきたのか…)
その後、サクラとやって来たナルトに俺は修行を着けることにした。
今のナルトでは到底ルミには敵わない。
俺やサスケなら体術に持っていけば行けるかもしれないが、ルミがそうさせてはくれないだろう。
つまり、俺ですらルミに勝てるか分からないのだ。
「サスケ、メンマ上忍の護衛を暫く独りで頼めるか?」
ナルトの修行は付きっきりで見るつもりだ。
俺がそう言うと、サスケは目に見えて嫌そうな顔をした。
「次、ルミに関係する任務に7班がついたときはは俺も同行する。
それでいいなら引き受ける。」
そう言いきったサスケに、俺はため息をつきながらも頷いた。
翌日から、俺はテンゾウと共にナルトの修行を開始した。
修行はナルトに性質変化を極めさせるもの。
そして、それをルミのように螺旋丸に加えることだった。
直ぐには習得できない性質変化も、影分身の分身が経験したことがオリジナルにも蓄積されると言う特性をいかして修行することで効率化させる。
しかしこれはチャクラを多く持ち、多重影分身をできるナルトだからこそ可能な修行方法だった。
風の性質を持っていたナルトは同じ性質を持つアスマにコツを聞いてから、徐々に成果を出し始め、木の葉をチャクラで真っ二つにするまで成長した。
「よし、ナルト。
次はあれを切れ。」
俺疲れてへばっているナルトに示したのは、テンゾウの術によって作られた滝だった。