第2章 新しい生活
sideー大蛇丸ー
『頂きます!』
丸い机に席に着いたルミちゃんは私の正面でてを合わせていた。
テーブルにある炒飯やスープは先ほど修行から戻ってきて彼女が作ったものだ。
カブトや君麻呂もルミちゃんに強制され手を合わせている。
(…まさか、こんな光景を見る日が来るなんてね…)
自分がこんなことをしていることもそうだが、君麻呂が今生きていると言うことも全てルミちゃんが起こしたあり得ない出来事だった。
「…ルミちゃん、口寄せはどうだった?」
ワタシはスープをすするルミちゃんに渡した巻物を思い出しそう聞く。
『……マンダと契約しましたよ。』
ワタシの問いに、ルミちゃんはが予想以上の答えを返してきた。
(…口寄せは成功するだろうと思っていたけれど、まさか、あのマンダを口寄せするなんてね…)
「…マンダがねぇ………ルミちゃん、やっぱり貴女は面白いわねェ……」
ワタシは予想以上の能力を見せるルミちゃんに嬉しくなった。
最初は、自分の器の替えとしてそばに置くつもりだったが、いつの間にかルミちゃんを育てることが楽しくなってしまっていた。
(…猿飛先生もこんな気持ちだったのかしら)
ワタシは柄にもない事を考えてしまう。
全てはルミちゃんのせいだった。
彼女がアジトに来てからのワタシはおかしい。
だが、それが嫌ではなかった。
「…それじゃあ、午後の修行はワタシと組み手でもしようかしら?」
ワタシの問いにルミちゃんが頷いた。
そんな彼女を見ながら、ワタシは初めてルミちゃんに修行をつけたときの事を思い出していた。