第6章 切り捨てと救済
結局、彼女はしぶしぶだが頷いた。
『それじゃあ君麻呂、この人をお願い。
私はこのあともちょっとやることがあるから、何日か遅れて帰るよ。』
私がそう言うと、君麻呂はため息をついた。
「気を付けて。
自由にするのもいいけどほどほどに。」
そう言うと、人柱力とともにアジトへ向かった。
あっという間に二人の姿が見えなくなる。
そして二人を見送った私は、火の国へと向かった。
三日後、無事に火の国にたどり着いた私はアスマを探していた。
そして、ようやく見つける。
十班のメンバーの他に特別上忍もいた。
久しぶりに見る同期は身長も伸び、二人は男らしく、一人は女らしく成長していた。
ヨシノさんの遺伝子が跡形もない成長を遂げているシカマルを見て笑いたくなったがそんな余裕はなかった。
すでに戦闘は始まっていた。
遠目にアスマ班が戦っているのを見ながら駆け出した。
徐々に近づく私達の距離と同じようにその時はせまっていた。
猿飛アスマの死の時がやって来たのだ。
つい先日戦ったばかりの相手が、地面に書かれた謎の模様の中に立ち、不気味に笑っていた。
勿体振るように大きく振り上げられた刃。
そして、それは勢いよく降り下ろされ、飛段の胸を貫いた。
「アスマぁ!」
シカマルの叫びがすぐ側で聞こえた。