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If…(2)

第6章 切り捨てと救済




「殺してはいない。

今すぐ退くと言うのなら此方も追わない。」






それを見た君麻呂が斬りかかってくる飛段の鎌を捌きながらそう言った。






「…糞っ!」



構わず攻撃を仕掛けてくると思われた飛段は、意外にも攻撃をやめて角都を担いだ。





「いいかぁ!これは戦略的撤退だ!」





飛段は憎々しげにこちらにそう言うと飛段を担いだまま消えた。




『君麻呂、人柱力は?』




飛段がいなくなったのを確認すると、私は君麻呂を振り返った。





「人柱力なら離れた所に避難させてある。」






君麻呂はそう答えると、私を人柱力のもとまで案内してくれた。



人柱力は気を失っていた。
私は万華鏡写輪眼になるとオホゲツを発動させた。


すると、彼女の傷が塞がっていく。





「……そう言えば僕もそれで治してもらったな。」






君麻呂はその光景を見ながらどこか懐かしそうにそう言った。





「……んっ…」





傷が完全に消えた頃、呻き声を上げて人柱力が目を開けた。





『うわぁ!』





気付た瞬間、人柱力に攻撃された私は尻餅をついてその攻撃を避けた。





「ん?」




その直後、人柱力の彼女は怪我のない体に気付き、私達を見て自分を見て、それからまた私達を見た。





「お前の怪我はこの人が治した。」





その視線を受け止めて、君麻呂が彼女にそう言う。

それを聞いた彼女は驚いたように私を見た。





それから私はまた警戒している人柱力に、暁の狙いとを話し、保護させてくれるように訴えた。





「僕らがいなければ、間違いなく君は死んでいた。」




自分出なんとかできるとなかなか頷かない彼女に、君麻呂が呆れたように言った。






「言っておく。
砂の里の風影も暁に拐われた。それほど暁の実力は高い。

一緒に来るのが賢明な判断だろう。」





それでも何か言いたそうに口を開いた彼女に君麻呂が先手を打った。



(何でその事知ってんの?)





私は我愛羅が拐われたことを君麻呂が知っていることに驚いたが、よく考えたらサソリとカブトが繋がっていた。
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