第6章 切り捨てと救済
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『ディア、二尾から八尾の人柱力が暁に襲われるのはいつか見て欲しいんだけど、お願い出来る?
あと、猿飛アスマと飛段が接触する日も。』
アジトがナルトたちにばれて移動した翌日、私はディアボロスを口寄せしていた。
さっそく本題に入ると、ディアボロスはまたかと言いつつ目を瞑った。
「………まず、次に襲われるのは二尾の人柱力だ。」
目を開けたディアボロスが私を見下ろしてそう言った。
「その次に襲われるは四尾…そこから先は見ることは出来なかった。
一尾と八尾、九尾は襲われる未来がないんだろう。」
そう言ったディアボロスに、私は首を傾げた。
『三尾と五尾、六尾と七尾は?』
「……既に死んだ者の未来は見ることはできない。
見えたのは、そいつらが封印された過去だ。」
私の問いに返ってきたのは、ディアボロスの残酷な言葉だった。
『…うそ
間に合わなかった…』
思わず呆然と立ちすくむ。
人柱力が暁に尾獣を抜かれて死んでしまうことを知っていたのに、助けることが出来なかった。
泣きたくなるが、泣いていいのかわからなかった。
もっと早くディアボロスに聞いていればと後悔するが、後の祭りだ。
『…二尾が襲われるのはいつ?』
自分を罵倒して泣き喚きたいのを抑え、震える声でディアボロスに聞いた。
助けられなかった事を嘆くのは今じゃない。
今はまだ間に合う命を助ける事が先だった。
後ろを見ている暇はない。
「ちょうど一週間だ。」
淡々としたディアボロスの答えに、これなら間に合うと安堵した。
『アスマが襲われるのはいつか分かった?』
続けて聞いた私にディアボロスは頷いた。
「二尾が襲われてから三日目。四尾が襲われるのと同日だ。聞かれる前に言っておくが時間もほぼ同じだぞ。」
今度こそどうしたらいいのかわからなくなり、その場にしゃがみ込んだ。
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