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If…(2)

第5章 迷い






「今のは…螺旋丸?」





突然に吹き飛ばされたナルトが体を起こしながら呆然と呟く。





サク(ナルトの螺旋丸に比べたら小さかったのにあの威力?)






同じく吹き飛ばされたサクラもルミを見ていた。








『それだけじゃないよ。』





私はそう言うともう一度同じようにしてサイに指先を向けた。





『千鳥弾!』





さっきと同じように球体が放たれた。
違うのは、術が風の性質変化ではなく雷の性質変化を帯びていること。


青白いそれは旋風弾よりもスピードが早い。
甲高くチチチと鳴きながらサイへとぶつかった。



“バチバチバチ”

「ぐっ!?」



千鳥弾はサイにあたると音をたてて消えた。
そして、サイは硬直したあとに膝をつく。

千鳥弾の雷で感電したからすぐには動くことが出来ないだろう。




私はテンゾウに瞬身で近づくと腹部に拳を叩き込んだ。




“パシィッ”




しかし、その手はテンゾウの手のひらにおさまった。




「捕まえた。」


『………。』






テンゾウは私の拳をそのまま掴むとそう言った。
そして、その手を引き寄せる。




「[元気そうで良かったよ。]」





それから小声で続いた言葉に、私はつい笑みを浮かべそうになった。
しかし、何とか無表情を保ち懐から巻物を取り出した。


ほぼ密着した状態でそれをテンゾウに渡すと、彼のアゴめがけて足を振り上げた。





「おっと!」





テンゾウは巻物をしっかり受け取り、私の蹴りを避けた。
二人の間に隙間が出来る。





テンゾウの手が離れ、私は崖の上…いや、地上に飛び上がった。

いつの間にか大蛇丸がカブトを連れて立っていた。







「……ルミちゃん、随分と派手にやったのね。」






大蛇丸は崩れたアジトを見て楽しそうに口元を歪める。



(…悪役みたいな笑い方)






「こっちに上がってきたってことはもう用はすんだの?」






私を見てそう聞いてきた大蛇丸に、私は巻物のことがばれたのかとヒヤリとする。







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