第5章 迷い
「確かにボクの極秘任務の命はルミさんの暗殺だった…
けど命令はもういい…、今は自分の考えで動きたい。」
サイが私を強い目で見ながら言った。
「ナルト君達のおかげで思い出せる気がするんだ…
昔の気持ちを…
ボクは君のことをよく知らない。
けど、ナルト君たちが必死で追うのには訳がある。」
今までとは違い、強い意思を持って話すサイをその場の全員が見つめていた。
「君との繋がりを切るまいと、つなぎ止めようと必死なんだ…
君にはわかっているはずだ!」
ナルトとサクラが驚いた表情を見せるなかサイは言い切った。
『分かってたよ。
でも、ここまでとは思わなかった。
ナルトにはサクラにサスケ…7班での繋がりができたし、メンマだって。
私一人欠けたってこんなに必死に追わないと思ってた。』
真っ直ぐ見てくるサイに、思わずルミの本音が漏れた。
(サクラなんて、原作ではサスケが好きだから追っていると思ってたのに、本当に仲間思いなんだね…)
『もう良いじゃん。
忘れなよ、私の事なんて。』
私がそう言うと、サクラとナルトは目を見開いた。
『ナルト…、火影になるんじゃなかったの?
こんなことしてる暇があったら修行した方が良かったんじゃない?』
私は四人の元に飛び降りるとナルトの前に立った。
「仲間一人助けられねぇ奴が、火影なんかになれるわけねえ!」
ナルトが睨むようにそう言った。
私はそれをナルトらしいと思いつつ、刀を抜いた。
『私の邪魔はさせない。』
そう言ってナルトに切りかかる。
"キンっ"
刃がナルトを傷つける前に、サイが短刀で弾いてきた。
続いて、ヤマトが木遁を使い攻撃してくる。
『効かないよ。
…旋風弾!』
私は指をピストルの用に構えて、ミニチュア螺旋丸を撃つ。
ミニチュア版の螺旋丸はヤマトの攻撃を粉砕したあと突風を起こして消えた。