第4章 新生!第七班!!
sideーサイー
「これは兄さんにプレゼントするつもりだった。」
ダンゾウ様から受けた任務を遂行するために配属された第七班で、そのメンバーに向かい僕は兄のことを話していた。
こんなことになったのは僕が落とした絵本をサクラに拾われ、その中身を見たヤマトに勝手な推測をされたのを正そうとしたからだった。
「でも、もう少しで絵本が完成するって時に兄さんは……
……病気で死んだ。」
僕は絵本の表紙を見て話を続けた。
「血は繋がっていなかったけどボクの絵をよく誉めてくれたんだ。
根には離散家族の子が多くいてね。
そのなかで兄弟のように親しくなったのが兄さんだった。」
僕は薄れてしまった記憶の中の兄さんを思い出した。
「この絵本……
兄さんに一番見せたかった最後の見開きの絵が……
兄さんが死んでから…
何を描こうとしていたのか、思い出せないんだ。」
僕がそう言うと、再び部屋に沈黙が訪れた。
しかし、その沈黙もすぐに破られる。
七班の隊長は僕のことを木遁で拘束し、アジトから連れ出した。
僕は黙って拘束された。
戦っても楽に勝たせてもらえないと言うのもあったが、何故か戦おうと思えなかった。