第4章 新生!第七班!!
「貴方は言うほど感情を捨てきれてない……。
忍だって感情を捨てきることはできないのよ。」
サクラがそう言うと、一瞬の沈黙が俺たちを包んだ。
俺にはそれがサクラの願いであるようにも聞こえた。
もしかしなくても、里抜けしたルミがその思いに絡んでくるのだろう。
いつもはうるさいナルトも、さっきから黙ってサクラの言葉を聞いている。
その目は真っ直ぐにサイを見つめていた。
「何故この絵本を持ってる事が自分の存在を証明することになるんですか…?」
サイはサクラの言ったことが分からないと言う。
「貴方がその本を手放したくない理由……
それは弟としての自分を捨てることができないでいるから…………。
何故だか分かる…?」
サイはサクラの問にえず黙ったままだった。
ただ、感情のこもらない瞳でサクラを見つめる。
「貴方にとっては、それだけお兄さんとのつながりが、大切だったからよ。」
落ち着いたサクラの言葉に、こちらを見つめていたサイの瞳がわずかに見開かれた。
「貴方はお兄さんとのつながりを消したくないと思ってる……」
繋がり。
サクラのその言葉は俺には重く聞こえた。
それは嫌な感覚ではなく、それだけ大切なものとして。
きっと、他のやつらがこの言葉を使ってもここまで繋がりと言う言葉が心に響くことはないだろう。
(ルミとの、第七班とのつながりのために今まで努力してきたこの子達の言葉だから響くんだ。)
この言葉かがサイにどう届くのだろうか。