第3章 始動
side―カカシー
砂の里について、暫くすると風影を見失ったサスケとナルトが戻ってきた。
二人からルミが風影を連れ去ってしまったと聞いた。
俺はあせる心を隠して作戦を練るためサスケをつれて会議室へ向かった。
会議が始まると砂の里から俺たちはネチネチとした嫌みを言われた。
木ノ葉の忍だったルミが風影を拐ったからだろう。
思わずため息をつきそうになったときだった。
会議室のドアが開き、全員の視線がそちらに向く。
「か…風影様!!?」
砂の里の忍がガタリと音をたてて立ち上がった。
そして、そこから会議の内容は一変した。
還ってきた風影はルミに助けられたと言った。
理由は分からないが、ルミはどうやら暁という組織の邪魔をしたいようだった。
そして、暁が人柱力を狙っているという情報がはいる。
砂の里の忍が信用できないと言っていたが、風影が信じると決めたようで文句を言うことはなかった。
(……ルミ、お前はいったい何がしたいんだ?)
俺は、ルミが風影を助けたと聞いて安心したが、何を考えているのか分からなかった。
会議が終わると、俺はナルトとサクラに風影が戻ったことを伝えた。
そして、ルミが風影を暁から守るために拐ったことも。
それを聞いたナルトは単純に喜んでいた。
俺はそれを見ながら、先程の会議で議題になったもうひとつの事を火影に伝えるために忍鳥を飛ばした。