第3章 始動
「……でも、ルミはそれを知っていたんだってばよ……
メンマが教えてくれた。
ルミはオレと出会ったときから俺のなかにいるもんに気づいてたんだ。」
ナルトは走りながらもぽつりぽつりと話す。
「……ルミはそれでもオレに普通に接してくれた。
それどころかルミは、九尾をバケモノとしてではなく、意思のある一つの生き物として見ていたんだってばよ。」
ナルトの言葉に俺たちは驚いたが、俺は確かにルミならそう考えそうだと納得した。
「……だから、オレはわかんねぇんだ。
ルミがどうして我愛羅をさらったのか。
……怖いんだってばよ。
ルミを信じてるけど、またルミが離れてっちまうのが。」
ナルトは更に言葉を続ける。
「それに、我愛羅はメンマの兄貴なんだろ?
兄弟のピンチにチンタラしてらんねえってばよ!」
ナルトはそう言うとスピードを上げた。
俺たちはそれに続いて黙ってスピードを上げた。