第3章 始動
「なっなっ、何を言っているんだお前ら!
ハルコは、ハルコはそんなこじゃありません!
もっと乙女で純情カレンなんだ!」
俺が叫ぶようにそう言ったが、サクラとサスケは止まらなかった。
「そんなこと言っていいのかい?男はそう言いながらもハルコの腰に腕を回す。」
サスケのナレーションに、俺はやめてくれと叫びそうになる。
「だって、彼は遊びだもの……もちろん、貴方もね。」
サクラのその言葉を聞いた俺は膝から崩れ落ちた。
「……やめてくれ……。
それ以上ハルコを汚さないでくれ……」
地にひれ伏しながらそう言ったときだった。
"チリ~ン"
耳元で鈴の音がして顔をあげた。
「ニッシシシ!カカシ先生、まんまと引っ掛かったってばよ!」
ナルトが満面の笑みで見下ろしていた。
その手には勿論鈴が握られていた。
サスケを見れば呆れたような目で俺をみていた。
「だから言ったでしょ!
好きな本の登場人物を全く別人のように語られるのって、ファンは耐えられないのよ!」
サクラが得意気にそう言って、確かにその通りだったと俺は思った。