第3章 始動
「…何をやっている?」
二人と追いかけっこをしていると前方から声がした。
「旦那!そいつを捕まえてくれ!」
私を追いかけるデイダラがそう叫んだことで私は声の主の正体を知る。
(サソリか…)
私は進行方向をかえる。
「一尾を渡してもらおう。」
サソリは進路を変えた私に傀儡で攻撃してきた。
だが、その攻撃を私が避けることはなかった。
「我愛羅は渡さないってばね!」
メンマの傀儡がサソリの攻撃を止めていた。
私はそれを見て、我愛羅を抱え直すと再び駆け出した。
「…デイダラ、お前は一尾を追え。オレも直ぐに追いつく。」
サソリのその言葉で二人の戦闘が始まった。
私はデイダラが追って来るのを感じながら砂の里から離れる。
(…サソリはメンマの中に九尾がいることを知らないけど、もしばれたらメンマも危ない!)
私はデイダラに追われながらそんなことを考える。
(早くデイダラを倒してメンマのところに行こう。)
私は走るのを止めた。
「…諦めたか…?
さっさと一尾をよこせ、うん。」
デイダラは私が諦めたと思ったのかそう言って近付いてくる。
その時だった。
「「ルミ!!」」
懐かしいふたつの声が私を呼んだ。