第3章 始動
「…後一時間後だ。」
淡々とディアボロスが告げる。
『……えっ?』
予想していなかった時間に思わず声が漏れる。
「…後一時間後だ。」
ディアボロスは律儀に同じ言葉を繰り返す。
『もう時間無いじゃん!』
私は叫ぶと駆け出した。
向かう先は勿論砂の里。
(我愛羅が拐われるのまだ先だと思ってたのに…!)
もし今日口寄せしていなかったらと思うと胃の辺りがヒヤッとした。
此処から砂の里までは一時間以上かかってしまう。
私はアジトに戻らずに、そのまま砂の里に向かうために走りだした。
(間に合って!)
私はただ我愛羅の無事だけを祈って走り続けた。
"ボンッ"
少し離れたところから爆発音が届いた。
前方で、砂の里の上空を覆っていた砂が里の外へ流れていく。
(ヤバい!我愛羅、もう捕まっちゃってる!)
私の目に巨大な鳥に我愛羅が連れていかれる姿が映る。
『あっ!!』
このままでは追いつかないと思った時、赤いチャクラがその鳥を捕らえた。
砂の里につくと、巨大な鳥は消えていて、傷だらけの我愛羅が倒れていた。
そして、その我愛羅を挟んでメンマと金髪が向かい合っていた。