第2章 新しい生活
sideーサスケー
「サスケ君、また無茶したのね…?」
里を歩いていた俺の後ろで聞き覚えのある声がした。
「…サクラか。」
振り返ると、そこには同じ班のサクラが立っていた。
「…また三代目と修行してたの?」
サクラはボロボロになった俺の姿を見てそう言った。
「…あぁ。今日は任務がなかったからな。」
俺はそう答えると、サクラに背を向け再び歩き出そうとした。
火影を引退して、忍術も使えないと言うのに、三代目の修行は地獄だった。
「サスケ君っ!待って!!」
サクラはそう言うと、俺に近付いてきて手をかざす。
緑色の光がサクラの手を包み、サクラの手が俺の傷を癒していった。
ルミが里を抜けて一年、俺が三代目の元で修行をするようになったように、サクラは五代目のもとで修行をして、医療忍術を身に付けていた。
俺は三代目が、ルミが里抜けした原因である大蛇丸の師だと知り、大蛇丸の情報を聞きに行った。
それが、いつの間にか三代目に弟子入りすることになっていたのだ。
サクラは、どうやら、自分で五代目に弟子にしてほしいと頼みに行ったようだ。
ナルトは、自来也と修行の旅にでて木ノ葉にはいなかった。
「…悪いな…」
俺は傷を治すサクラにそう言う。
「いいの!修行にもなるから!」
サクラはそう言うと微笑んだ。
ルミが里抜けしてからサクラは変わった。
今まで修行に熱心ではなかったはずが、俺も認めるほど一生懸命に修行をしている。
(…オレもサクラも、…ここにいないナルトも、みんなルミを連れ戻す為に強くなろうとしてるんだよな…)
オレは治療を終えて火影邸に戻っていくサクラを見送りながらそんなことを考えた。
ルミがいない日々が日常になりつつあったが、その日常を壊す為に俺たちは必死に過ごしていた。