第1章 私は貴方に恋をした
今剣ちゃんに手を引かれ外に出ると本丸の気配が薄い
皆楓さんの本丸に行ってるみたいで
「あるじさま、おきゃくさまもいます」
「え」
指を指された先に居たのは紺色の装束を纏った
優しい感じの方。
この感じ…
「…当主さま?」
ぽつりと溢した言葉に、向こうは驚いたかのような雰囲気が漏れる
「よく、分かったな…朱里」
「人じゃ無かったんですね」
頭を撫でられて、微笑まれた気がした
「小僧は生きている、泣くでない朱里」
頭を撫でてた手が何かの力を出して私の全身を纏う。
「我は蛟。困った事があれば名を呼びなさい」
スゥっと消えた姿に少し唖然として、はっと自分に纏う力を見ると
何だか、霊力を高めるものなのかな。嫌な感じはしない。
大丈夫だろうと踏んで
今剣ちゃんの手を引いて楓さんの本丸に走って向かった。