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私は貴方に恋をした

第1章 私は貴方に恋をした


45【完】

楓さんから貰った指輪をじいっと見詰めていたら…
べしっと膝丸に軽く拳骨されて我に返る

「あ、ごめん」
「今日は上の空が多いな、何をそんなに嬉しそうに…」

初めてそこで、朱里の左手薬指に着いてるものに気づいたらしい
いや、まさかそんな、は?
膝丸から聞こえる動揺の声に、数珠丸は既に気付いてたので持っていた刀を鞘付きでゴンと殴る。

「いっ~~!」
「驚くことは無いでしょう、私達も覚悟していた事です」
「だが、蛟殿は?」

2人の疑問にふんわりと寂しそうに笑う朱里を見て
ああ、妹も覚悟が出来たのだろうと察した。

「蛟ね、相模で審神者をするかもしれないの」
「相模で?彼処はもう規定の審神者の数が揃っていると聞きましたが、まさか」
「ブラック本丸と言われる所か?」

妹はその問いに首を静かに頷いた。
彼の神ならば心配無いが…それでも朱里は気になるであろう。

「あ、数珠丸」
「はい、何でしょう」
「広間に皆を集めて欲しいの」
「分かりました」

朱里の願いを聞き部屋から出ていった数珠丸の背を見送って
膝丸はとうとうか、と息を吐き出した。

全員集まった広間に、蛟ときちっとしたスーツを着た楓を連れてきた
ぱたぱたと急くかのように走って来る朱里は珍しく。
審神者に支給される着物を着て髪を結って

上座に座ってぺこりと頭を下げる

「皆、急にごめんね」

頭を上げた朱里の顔は嬉しそうに微笑み
楓と結婚する事になりました。

指輪を嵌めた手を見せ、刀剣達は皆主の幸せを心から祝った。

「良かったね主!よし、今日は歌仙さんとご馳走を作るよ!」
「ありがとう、光忠」
「楓さんの僕と歌仙さんも手伝って欲しいんだけど楓さん良いかな?
楓さんとこの刀剣達も参加してよ、勿論主役は主と楓さん」

光忠は宴会の準備を仕切り、2つの本丸が2人を祝福し

朱里の頭を軽く撫で小さな声で

「覚悟は決まったか」
「うん」
「…幸せにな」
「っうん!」

蛟は、今にも泣き出しそうな朱里の背中を叩き、外で待つ煌鴉の元に消えて行き。
静かに涙を流す朱里の涙を、楓は微笑んでハンカチで拭っていった。
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