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私は貴方に恋をした

第1章 私は貴方に恋をした


男の問いに、己の中の解を口にすれば、また僅かに考えた男がにたりと笑った、ような気がした。
そして告げられるのは己の内心、力を付ける度によじれ、壊れていった父親の姿とその父に従いくたびれ壊れて亡くなった母親の姿が過り、楓は唇を噛む。
過ぎたる力は毒であると身を持って知った楓は、男の言う通り大きな力を望まなかった。そのために霊力を伸ばす修業は断り現状維持を続けていたのだ。
だが、今は欲しいと言う欲と、要らないという拒絶に惑っている。それを、この男は壊そうとしているらしい。
突然再開した圧力に、今度こそ死にそうな気がして焦って内にある己の力を探す。神に対抗する術などないが圧死は避けたいと、あんな状態で朱里を置いて逝くのは無理だと必死になる。
それは惑い留まった力を徐々に引き出し始めるが、今の楓はそれに気付ける状態ではなく、強制的に男の特訓を受けることになる。
今、本来の身体がどうなっているかも把握できないままに……。
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