第1章 私は貴方に恋をした
「朱里を大切にして下さってる様で改めてお礼を申し上げます」
1歩1歩近づく者は俺にしか聞こえない音量で
「我の姿が見えてるか?小僧、不思議な目を持ってるな」
「アンタ、何者だ」
「なに、悪い事はせぬ。小僧が朱里を救ったと聞いてな。あの娘は純粋だから害されそうになったと聞いて腸が煮えくりかえった」
「当主さん、苺のお礼にケーキ作ったの、良かったら食べてね」
「ああ、ありがとう。冷蔵庫に入れておこう」
朱里の方に歩いていく当主は小声で
「まだ若い付喪神ごときには、我は見えぬ」
と言う事はこの男、神様レベルって事かよ。
朱里の頭を撫で此方を振り向いた覆面の男は
力を強めたか、明石の言っていた風貌の男に変わっていた。
「楓くんに泣かされたら教えるんだよ?」
「え?楓さんに泣かされた事ないよ?」
朱里を泣かせたら天罰来ちゃうフラグ?