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私は貴方に恋をした

第1章 私は貴方に恋をした


29

先日の愚かな親族に害されそうになった詫びとして
細川の本家から大量の苺が贈られてきた。

大量にそれを持ってきた…岩融を連れて膝丸が持ってきて楓は盛大に口をぽかんと開けている。

「大量にって、こんな量持って来ても良かったのか?」
「支障は無い、まだあと3、4倍はある」
「当主さんってどんな人?」
「まあ、朱里を妹の様に可愛がってるとしか言えん」

今度報告に行くときにでも貴様も来るかと聞かれて、驚いて膝丸を見ると
苦虫噛み潰した様な顔してんな…
そんなに俺が嫌いデスカ。

用は終わったと帰る膝丸を見送って
本丸の連中にも配らないとな、明石と供に配って行った。

朱里は苺が好きなのか。

「いーい?主は放っておくとお腹いっぱい食べちゃうから僕がおやつの苺の量を管理するからね?」
「ふえええぇ、光忠がお母さん…」

がっくりと項垂れる朱里に「はい、今日の分」と渡され
主の顔が嬉しいと花を咲かせる。
光忠も朱里には甘いのが見える、大きな深皿にこんもりと乗せられた苺を抱えて執務室に戻って行った。

「凄い量の苺ですね」
「えへへ、光忠に貰っちゃった」

器をテーブルに置き1つ1つ味わって食べる朱里

ちょうど此方にお礼に来た楓は何だかハムスターやリスみたいだなと微笑む

「後は頼みましたよ」

数珠丸に肩をポンと叩かれ朱里の執務室に入ると満面の笑みで迎えてくれた

「苺のお裾分けありがとな」
「楓さんだー!こんにちは!」

テーブルの正面に座り、もふもふと苺を頬張る朱里を見つめて
ふと悪戯心がわいて、苺を手に取り朱里の口元に運ぶと朱里が真っ赤になった

「はい、あーん」
「ふぇ!?ちょ、楓さん?」

笑顔で苺を唇に近付けていると観念したのか
恐る恐る口を開いてパクリと食べる。
顔真っ赤で可愛い事をしてくれるので

苺を次々と俺の手から食べる朱里が愛おしい。

まあ、今は小動物みたいだが。

「朱里は苺が好きなのか?」
「えとえと、あとお蜜柑も大好きです」

可愛い好物にちょっと萌えたのは仕方ないよな?
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