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私は貴方に恋をした

第1章 私は貴方に恋をした


27

執務室にて、1軍が拾ってきた短刀を
胸に押し付けるかのように抱き締めて頬擦りしてる朱里を見て
楓は思わず、一瞬止まった。

「えへへ、懐に入れて下さいね、大将」
「信濃君かわいー!かわいいいぃぃ」

柱に寄っ掛かって若干げんなりしてた膝丸は固まってる楓に気付いて

「新しい短刀が来たらいつもこうだ」

朱里には聞こえない音量でぽつりと溢す。

「信ちゃん、これから宜しく」
「はい!宜しくお願いします」
「では一期一振の所に案内します、着いて来て下さい」

数珠丸に連れて行かれた短刀に嬉しそうに手を振る朱里に
後は任せたぞと膝丸は場を離れ
気付けば2人きりになっていた。

「あ、楓さん!いらっしゃい!」

何事も無かったようにふんわり微笑まれれば、まあ良いかと気分も浮上し

だが、短刀が胸に埋まってたのが妙に気になって
朱里を手で呼び寄せて

何事かと首を傾げて近付いてきた朱里を膝の上にのせて
そのまま顔を胸に埋める。

「ひゃあ!楓さん!?」

すうっと鼻で呼吸をする度に彼女から出る甘い香りを堪能してたら
ナデナデを頭を撫でられて、まるで子供か短刀か、俺は。

「楓さん、機嫌悪い?」
「んー?いいや?朱里良い匂いだなって」

甘える様にすりすりと未だ胸を堪能していたら

「あ、そうだ!楓さん聞いて!この前膝丸が出陣した時にね」

何だ何だ?嬉しそうに話す朱里に顔を上げると

「髭切と一緒になって姿?衣装が変わって帰って来たんだよ!凄くかっこ良かった」
「…それ何度目のランクアップ?」

んー、と考える朱里に少し冷や汗が止まらない

「2回目!」
「最高ランクだな…」
「前よりずっとずっと強くなったよー、皆」

嬉しそうに笑う朱里には凄く悪いが
確かに衣装が僅かに変わってる源氏兄弟が朱里の肩越しで晴れやかに笑って歩いて来るのに

「ここは逃げるが勝ち!」
「楓えええ!貴様何をしている!!」
「ひゃああ!?」

朱里を姫抱きにして自分の敷地まで全力疾走させて貰った!

後に、見せて貰った資料で朱里の1軍が全員レベルが85以上で戦慄した。

ああ、俺…次に膝丸怒らせたら殺されるわ。
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