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私は貴方に恋をした

第1章 私は貴方に恋をした


楓と膝丸が動きを止めた男性二人を置いて家の中に入ると間もなく、パトカーの音が聞こえ始め男性二人は慌ててその場から逃げ出した。
しかし、恰幅の良い男性はその数日後に事実に近しい噂が立ち職も家も家庭も失くし、細身の若い男性は逃げ続けていた借金取りに見つけられその消息を絶った。
室内に戻った楓は、膝丸にレコーダーと写真データを渡し、警察が来たら渡して貰うように頼んで朱里の元へと歩み寄る。

「朱里、大丈夫か?」
「うん……みんなのおかげで、楓さんも居るし」
「そうか。家具も傷んでるのがあれば本丸に戻ってから直しに出そう。腕のいい職人に知り合いが居るから」
「いいの?」
「もちろん。朱里の大事な思い出だから、この先も長く使えるようにしておかないとな」
「ありがとう……」

朱里には、外に来ていた男性たちの話は一切耳に入れないまま、楓はその後の整理や移動を手伝い、その夜は傍に寄り添って過ごした。
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